「もっと効率よく時間を使えば、やりたいことが全部できるはず」
この本は、その前提をひっくり返します。
「限りある時間の使い方」は、2022年に日本で発売されたイギリス人ジャーナリスト・オリバー・バークマンの著書。ひろゆき氏やアダム・グラントが絶賛した全米ベストセラーで、時間術の本としては異色の一冊です。
この本が言いたいことを一言で
「効率化すれば全部できる」は幻想。4000週間という限られた人生、全部やろうとするのをやめよう——これがすべてです。
80歳まで生きるとして、人生はたった4000週間。90歳まで生きても4700週間。この数字を突きつけられると、「いつかやろう」という先延ばしがいかに非現実的かを実感させられます。
エッセンシャル思考との違い
エッセンシャル思考も「やることを絞れ」という本ですが、この本はもう一歩踏み込んでいます。
エッセンシャル思考は「重要なことに集中すれば成果が出る」というビジネス的な文脈。一方この本は「そもそも全部やれるという前提が間違っている」という哲学的な切り口です。
「時間を効率的に使おう」という動機で読み始めると、予想外の方向に連れて行かれます。笑
核心となる3つのメッセージ
①効率化は逆効果になる
効率化してタスクを速くこなすほど、新しいタスクが増えて結局忙しくなる——これを著者は「効率化のパラドックス」と呼びます。
メールの返信を早くすればするほど、送られてくるメールが増える。この感覚、覚えがある人は多いのではないでしょうか。
②何かを選ぶことは、他のすべてを捨てること
毎日の選択は「他の無数の可能性に別れを告げること」だと著者は言います。これを正面から受け入れることが出発点です。
「やらないことを決める」のではなく、「やれないことがある現実を受け入れる」——この視点の違いが、エッセンシャル思考との大きな差です。
③「今」に集中することの難しさと大切さ
未来のゴールに向けて「今」を手段にしてしまうと、ずっと充実感が得られない。現在を犠牲にして未来に投資し続けるサイクルから抜け出すことを説いています。
正直なネガティブポイント
「主張があちこちに飛ぶ」「哲学的すぎて実践しにくい」という声が多い本です。
「具体的に何をすればいいのかわからない」と感じる人は少なくありません。エッセンシャル思考や時間術大全と比べると、「今日から試せる技術」は少なめです。
読後感は「考え方が変わった」という感覚で、「何か具体的にできるようになった」とはなりにくい本です。
こんな人におすすめ
- 時間術の本をいくつか読んできたが、何かが違う気がする人
- 「忙しいのに充実感がない」という感覚が続いている人
- 効率化や生産性向上に疲れてきた人
- 哲学・思想系の本が好きな人
まとめ
「限りある時間の使い方」は、時間の使い方を「変える」本ではなく、時間に対する「考え方を変える」本です。
テクニックより先に「全部できる」という幻想を手放したい人にこそ届く一冊。読むと何かがスッと楽になる感覚があります。
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